|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
(ごきそたくあん) | ||||||||||||||
江戸時代の末期、尾張国の御器所(ごきそ)村(現名古屋市昭和区御器所)は大根の大きな産地でした。 地元の大地主で尾張藩の御用商人でもあった亀井家(屋号は「萬屋」、当主は代々亀井太助を名乗ったことから地元では「萬太(よろた)」と呼ばれていた)が、この大根を利用して商い用のたくあん造りを始めたところ、藩の江戸参勤の土産にも用いられたことなどから、この「御器所たくあん」は次第に有名となり、萬屋は大いに繁盛したそうです。 この萬屋に刺激され、明治時代から大正時代にかけて御器所村の各地でたくあん漬業者が現れ、御器所は全国でも有数のたくあん漬の産地となりました。最盛期には沢山の人夫が働き、御器所村一帯で年間100万本以上の大根を仕込み、各地へ出荷したといいます。 当時は現代のように美味しいものも少なかったため、御器所のたくあんは刺身のように美味しいということから、「御器所のさしみ」という言葉まであったそうです。 一方、御器所村での大根栽培は、長年の栽培による連作障害が発生し不作が続いたため明治時代になると次第に衰退し、代わって近隣の知多郡、碧海郡や尾張一宮に大根産地が形成され、御器所の漬物業者に大根の供給をするようになりました。 当初は、各産地で収穫した大根は天日干しした後に、御器所まで運搬していましたが、自動車や鉄道の発達していない当時は大変な労力でした。このため、この運搬の労力を軽減するために、次第に大府市や武豊町など県内各地でたくあん漬を行う業者が出てきて、県全体でたくあんづくりが盛んになりました。 |
||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
(あつみたくあん) | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
中日新聞日曜版記事(平成17年10月16日発行) (この記事は中日新聞社の許可を頂いて掲載しております) | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
たくあんの名前の由来 | ||||||||||||||
たくあんは、江戸時代初期に考案された漬物といわれていますが、その名前の由来は、臨済宗の僧・沢庵禅師が作ったから沢庵(たくあん)漬と呼ばれたという説が一般的にはよく知られていますが、それ以外にも、当時のたくあん漬は保存食として利用されていたため、たくわえ漬といわれていましたが、その「たくわえ」が転化してたくあん漬になったという説もあります。 | ||||||||||||||
|
||||||||||||||
干したくあんと塩押したくあん | ||||||||||||||
たくあんは、原料となる大根の脱水方法により、大きく干したくあんと塩押したくあんに区分されます。 最近では出来あがった干したくあんや塩押したくあんををさらに調味液に漬け、味を調えた「液漬けたくあん」が主流となっています。この「液漬けたくあん」は戦後になって始められ、「渥美たくあん」がその草分けといわれています。 |
||||||||||||||
|
||||||||||||||
|
||||||||||||||
たくあんの黄色い色 | ||||||||||||||
たくあんは、黄色っぽい色をしているというのが一般的なイメージです。 大根を塩漬にすると、時間がたつにつれ大根の辛味成分が黄色い色素に変化するため、たくあんは自然と黄色くなります。しかし、この黄色い色素は、日光に当たると退色して、日の当たらないところと色の差ができてしまいます。この色ムラを目立たなくするために、たくあんを黄色い色素で着色します。(現在ではこの着色料は、ウコンやクチナシなどの天然系の着色料が多く用いられています。) なお、最近では、漬物メーカーの作るたくあんは、低塩分化のため、衛生管理上の理由等により、ほとんどが冷蔵庫内で漬けられています。大根を低温で漬けた場合は、黄色い色素の生成が抑制されるため、白いままのたくあんができあがります。一般にはたくあんは黄色というイメージが強いため、これらのたくあんも多くは黄色に着色されますが、一部では無着色のままの「白いたくあん」が売り場に並んでいます。 |
||||||||||||||
|
||||||||||||||
たくあんの効能 | ||||||||||||||
○たくあんを良く噛むことによる効果 食べ物を良く噛むことにより、脳の活動性が上昇し、集中力が持続するようになるといわれています。この他にも良く噛むことにより、唾液の分泌が促進され、口腔衛生効果があることに加え、唾液が食物の発ガン物質を抑制する効果もあると言われていますが、「たくあん」が最も噛むことによる効果が高いという研究報告も出ています。 ○ビタミンや食物繊維が豊富 野菜をぬか漬にした場合、ぬか床に多く含まれるビタミンB群が漬物の中に移行するため、生野菜よりも多くのビタミンB群が含まれています。また食物繊維も生野菜よりも豊富に含まれています。 |
||||||||||||||