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日本の古くからの伝統食である漬物ですが、現在市販されている漬物は健康面に配慮して低塩分化がすすむなど、ひと昔の漬物とはずいぶん様変わりしています。
ここでは食生活の健康面から、古くて新しい食材である「漬物」について考えてみます。 |
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漬物ときくと、今でも「高塩分食品」というイメージで敬遠している方も見えますが、漬物が高塩分だったのは昔の話です。
最近では、塩分のとりすぎは高血圧や脳卒中などの原因につながるといわれるようになり、高塩分食品が敬遠されるようになったため、各漬物メーカーは技術開発の積み重ねにより、漬物の低塩分化を積極的に進めています。
この漬物には、ビタミン類や食物繊維などの栄養素が豊富に含まれていることから、漬物の低塩分化が進んでいる現在では、むしろ「健康的な食品」としての評価が高まっています。
昔のイメージで漬物の塩分を気にするより、もっと漬物のもつ豊富な栄養分に注目されてはいかがでしょうか。 |
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○昔は保存のために塩分を高めた
漬物は古くから野菜の保存食として発達してきました。野菜を塩漬けし、高塩分にすることにより、腐敗菌などの繁殖を抑え、長期の保存を可能にしていたのです。
○最近では塩分摂りすぎを敬遠
しかし、近年では、生活様式が大きく変化するとともに消費者の嗜好も変化し、また、健康面からも食生活での塩分の取りすぎが指摘されるようになりました。このため、漬物は一時期、高塩分食品の代表として敬遠された時期もありました。
○技術開発の積み重ねにより漬物の低塩分化を推進
この状況に対処し、消費者ニーズに応えた漬物づくりを進めるため、各漬物メーカーでは、積極的に漬物の低塩分化が進められています。
しかし、塩分濃度を抑えほど腐敗菌なとが繁殖しやすくなり、漬物の品質管理が難しくなってきます。このため、冷蔵庫内で漬物を漬けるなど、漬物メーカーは、様々な技術開発の積み重ねにより漬物の低塩分化をすすめてきました。
かつては、塩分濃度10%以上の漬物が当たり前でしたが、現在ではほとんどの漬物が5%以下の塩分濃度に抑えられています
○低塩分化により漬物もより美味しく
また、低塩分化が進むとともに、味付けも塩辛いだけの漬物から、野菜の風味を生かした味の漬物へと変わってきています。つまり、漬物も低塩分化によって、より美味しくなってきているのです。
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漬物は、減塩漬物へ
進化しました! |
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漬物の塩分含量の変化(愛知県漬物協会青年会調べ)
種 類 |
1960年 |
1999年 |
梅 干 |
約20% |
約8% |
福 神 漬 |
10〜10.5% |
5〜5.2% |
キ ム チ |
4% |
2% |
守 口 漬 |
8〜9% |
4〜5% |
た く あ ん |
12〜14% |
4〜5% |
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愛知県漬物協会青年会のWebサイトはこちらから
(漬物の薬効と健康についての詳しい情報が載っています) |
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健康のため、高脂肪や高蛋白になりがちな現代の食生活を見直し、野菜食をすすめる声をよくききます。
野菜はそのまま生で食べたり、加熱調理して食べていますが、「漬物」にして食べるのも野菜の食べ方の1つです。
生で食べる場合は食べられる野菜の種類も限られできます。また、加熱調理するとビタミンCなど熱に弱い栄養素の損失が気になります。一方、漬物は野菜のもつ栄養分の損失も比較的少ないため、野菜のもつ栄養素を効率よく摂取できると言われています。
健康のためにも、もっと漬物に注目してはいかがでしょうか。 |
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漬物が持つといわれる様々な効果 |
主な効果 |
内容 |
野菜を食べやすくする |
塩の作用により野菜を脱水することにより、野菜をコンパクトにするとともに、柔らかくすることにより、生では食べづらい野菜も食べやすくしてくれます。 |
植物細胞に対する塩の作用
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野菜の持つ栄養素が豊富に含まれる
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原料の野菜を塩で脱水してコンパクトにても、野菜の中に含まれる食物繊維やビタミン類などの栄養素はほとんどそのまま野菜の中に残っています。
ビタミン類などは種類によっては長く漬け込むと徐々に減少してゆきますが、浅漬の場合はビタミン類もたっぷり残っています。
このように漬物は圧縮された野菜の栄養素をとることができるのです。
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漬物はノンオイル食品 |
漬物は油を使っていませんので、いわばノンオイル食品です。
高脂肪分になりがちな現代の食生活にはうってつけの食材です。 |
乳酸発酵漬物は乳酸菌が体によい |
ぬか漬やキムチなどは乳酸発酵をする漬物です。
乳酸発酵漬物を食べると、多量の乳酸菌をとることができ、併せて善玉菌のエサとなる食物繊維も摂取することになるため、腸内での善玉菌の繁殖を支援する効果が期待できます。
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ぬか漬はビタミンB群が豊富 |
ぬか漬は、ぬかに漬け込むことによってぬか床に豊富に含まれるビタミンB群が漬物の中に移行するため、元の生野菜よりもビタミンB群は豊富に含まれています。 |
漬物はアルカリ性の食品 |
野菜を原料とする漬物はアルカリ性食品といわれています。
アルカリ性の食品は血液をアルカリ性に保ち、健康を維持する効果があるといわれています。
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その他の効果 |
たくあんなどの漬物を良く噛むことにより、集中力が増加すると言われています。
漬物の鮮やかな色や香気が食欲を増進します。
なお、その他にも漬物にはいろいろな効果があるといわれています。 |
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*愛知県漬物協会青年会のホームページでは漬物の薬効について詳しく解説しています。
ぜひ一度ご覧ください。
(下のタイトルをクリックしてください)
↓ ↓ ↓ |
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私たちの体の腸内には、約100種類以上、約100兆個の細菌が生息しているといわれていますが、この腸内細菌は消化や便通のみでなく、健康や病気と密接なかかわりがあるとされています。
この腸内細菌をはたらきによって大きく2つに分類すると、善玉菌(有用菌、発酵菌)と悪玉菌(有害菌、腐敗菌)とに分けられますが、善玉菌と悪玉菌は、腸内でお互いに勢力争いをしており、どちらが優勢な状態にあるかで、おなかの健康の状態が決まってきます。
腸内の悪玉菌が増えると、善玉菌が減っていき、老化や大腸ガンの原因の一つになるといわれています。善玉菌が優勢な状態が、おなかの健康が良い状態なのです。
この腸内細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスは、毎日の食事によって変化してゆきます。健康のためにも、日々の食事に気をつけて腸内の善玉菌を増やすように心がけましょう。
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腸内の善玉菌と悪玉菌のはたらき
分類 |
菌のはたらき |
菌の活動による効果・影響 |
善玉菌
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ビヒィズス菌、乳酸桿菌などの発酵型細菌群
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炭水化物(糖類)を分解して乳酸や酢酸などを作る
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・腸内を酸性に保ち、酸に弱い悪玉菌の増殖を抑える
・腸の動きを良くして消化、 吸収を改善する
・免疫、がん予防にも関連
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悪玉菌
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大腸菌、ウェルシュ菌などの腐敗型細菌群
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たん白を分解し有害物質を生産
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・便秘や下痢を起こす
・老化やがんにも関係
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○食事と腸内細菌 |
食事による腸内細菌バランスの変化 |
食事の内容によって腸内細菌のバランスは変化してゆきますが、一般的には次のようなことがいわれています。
○ご飯や芋などの炭水化物を豊富にとると善玉菌が増加する。
○たん白質や脂質を多くとると悪玉菌が増加する。
○オリゴ糖や食物繊維を摂取すると善玉菌が増える
(野菜でオリゴ糖を比較的多く含むものは、ごぼう、たまねぎ、大豆、ねぎ、にんにく、アスパラガス等です。)
○発酵食品などを継続して食べると善玉菌が増える
(一般的に伝統的な日本食は、発酵食品が多く含まれており、善玉菌を増加させると言われています。)
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乳酸発酵食品の効果 |
○乳酸菌は糖類を分解して乳酸などの酸を作りますが、この酸は腸内を酸性にして悪玉菌を弱らせる効果があるといわれています。
○外から食べ物と一緒に体内に入って来た乳酸菌は、なかなか腸内に定着できず、やがて体外に出されてしまいますが、腸内にとどまっている間に乳酸などを生成し、腸内に住み着いている善玉菌の繁殖を助けるとともに、免疫機構を刺激し、免疫力を高めるといわれています。
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動物性乳酸菌と植物性乳酸菌 |
○ひとくちに乳酸菌といっていますが、乳酸菌は1種類だけではなく実際にはさまざまな種類の乳酸菌がいます。
○ヨーグルトやチーズなど乳製品に含まれる乳酸菌類は「動物性乳酸菌」といわれていますが、植物にも「植物性乳酸菌」といわれるさまざまな乳酸菌が生息しています。
○一般に「植物性乳酸菌」は「動物性乳酸菌」に比べて、栄養バランスが不良で過酷な環境でも生存することができるといわれています。
○乳酸菌の摂取によって腸内細菌のバランスを効果的に改善するためには、胃の強酸をくぐり抜け、乳酸菌が生きたまま腸まで達する必要がありますが、不良環境への耐性の強い植物性乳酸菌は、腸まで達する確率が動物性乳酸菌よりも高いといわれています。
○ぬか漬やキムチなどの発酵漬物は「植物性乳酸菌」の宝庫といわれています。
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ぬか漬は日本で独自に発達した発酵漬物です。昔は、多くの家庭でぬか漬が作られていましたが、最近では、手間やにおいなどが敬遠され、ぬか漬をつくる家庭はずいぶん少なくなってしまいました。
しかし、このぬか漬は、乳酸菌や酵母のはたらきによって作られる風味豊かなで栄養豊かな発酵食品として、最近再び注目されています。健康のためにも、今一度家庭で作るぬか漬を見直してみてはいかがでしょうか。 |
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【ぬか漬の効果】
○おなかの健康に役立つ乳酸菌が豊富に含まれる
ぬか床の中には比較的高い塩分濃度にも堪えられる乳酸菌が繁殖しており、野菜類をこのぬか床に漬け込むことにより乳酸発酵します。
ぬか漬を食べると、乳酸菌とともに乳酸菌のエサとなる食物繊維を同時に摂取することとなり、腸内の善玉菌の繁殖を助け、おなかの健康維持に役立ちます。
○ビタミンB群が豊富に含まれる
ぬか床の材料となる米ぬかにはミネラルやビタミンが豊富に含まれ、栄養の宝庫といわれてるくらいです。
残念ながら米ぬかをそのまま料理に使うことはできませんが、米ぬかに含まれる豊富な栄養素は、野菜をぬか漬にすることにより回収することができるのです。
ぬか床に野菜を漬け込むことにより、ぬか床に含まれる豊富なビタミンやミネラルが漬物の中に移行してゆきます。
このため、ぬか漬は生野菜よりもビタミン(特にビタミンB群(B1,B2))やミネラルが豊富に含まれることとなります。 |
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*ぬか漬にするとビタミンB群が生野菜よりも豊富に含まれます。
なお、たくあん漬もぬか漬の仲間です。 |
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中日新聞日曜版記事(平成17年10月16日) (この記事は中日新聞社の許可を頂いて掲載しております)
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今ではすっかり日本でもおなじみとなったキムチも、代表的な乳酸発酵食品です。
キムチは野菜だけではなく塩辛などの動物性原料などもいろいろと混ぜて作るため、乳酸菌の量が非常に多いと言われています。
また、この乳酸菌は漬け汁に溶くに多く含まれていますが、キムチの場合は洗わずそのまま食べるため、漬け汁に含まれる多量の乳酸菌も摂取すること ができます。近年、キムチの消費量は増えています。
*ただし市販のキムチには塩辛などが入っていない浅漬けタイプなど、乳酸菌量の少ないものもあります。 |
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ビタミン類が豊富 |
キムチは発酵の過程で、微生物の働きによりビタミンB1やB2が新たに作り出されます。
また、塩辛類などの動物性原料を添加して漬けたキムチには、一般の野菜類には含まれていないビタミンB12が含まれてます。
さらに、唐辛子由来のビタミンAが含まれるなど、キムチはビタミンの宝庫といわれています。 |
唐辛子(とうがらし)の
効果
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キムチに使われる唐辛子にはカプサイシンという辛味成分が含まれています。
このカプサイシンには食欲増進効果や食物の消化を良くする効果があるといわれています。また、血のめぐりをよくし、エネルギー代謝を増大させ、体を温める効果があります。
この唐辛子にはカロテン(体内でビタミンAに変換される)が多く含まれていま
す。 |
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にんにくの効果 |
にんにくをすりつぶした時に生ずるアリシンという物質は、強力な抗菌作用があ ります。また、ニンニクにはさまざまなガンの予防効果があるといわれています。 |
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○焼き肉とキムチ
肉を多量に食べると腸内の悪玉菌が増加しやすくなりますが、肉と一緒にキムチを食べると多量の乳酸菌を摂取することとなり、腸内の善玉菌を応援してくれます。 |
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